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親切のバトン

先日、夕方の通勤ラッシュ時の途中で見た光景ですが、世知辛い世の中、まんざら捨てたものじゃないな、とちょっと思った出来事です。

短いスカート丈の下に運動用の短パンを履いて前髪をちょこっと束ねておしゃれ?している今風の女子高生3人組みの一人が白杖の視覚障害のある中年男性に肩を貸しながら一緒に電車に乗り込んできた。奥の出入り口まで案内してパイプにつかまれるところまで案内すると友達どうしでわいわいやっていた。ちょうど私が乗り換えで降りる駅で先ほどの女子高生がその男性に近寄り、「おじさん、降りるよ」と声をかけて、自分の肩に相手の手をまかさせてから友達に「じゃあね」と挨拶して降りていく。多分、前もって本人に確認していたんだろう。それともいつものことなのだろうか?その子は、階段を一緒に上がり改札口まで誘導すると「おじさん、じゃあね」と戻っていった。

その駅は、私鉄とJRがクロスする乗換駅でとても混雑していたが、男性はいつものコースなのかそれほど苦労することもなく人の流れについて歩いていく。でもエスカレータで下る場所に近くなると流れが遅くなり、少しとまどう様子が見えた。後ろに近づいていた私は、あ、声かけようかなと思うまもなく、直ぐ横に近づいた中年の女性が、乗り換え駅名を告げて確認をとると、すかさず「一緒にどうぞ」と肩を貸してエスカレータに誘導する。男性はにこやかにありがとうを返事をしてJRの駅改札まで案内されていた。そして、またしてもその中年女性も改札口まで案内すると自分の目的の方向に去ってゆく。

人ごみの中、距離があいた私はその男性が自分の登る階段とは後ろ方向の階段を一人で上がっていくのを見た。ホームまで上がるとちょっと気になり反対の階段の上がり口まで移動すると同じ方向の電車を人の列の最後尾で待つその男性が見つかった。私は男性の直ぐ後ろで待つことになった。
滑り込む電車が止まるまもなくドアが開き降りる客が勢いよくあふれ出すとともに待つ人の列も横に動く。男性は人の流れに合わせて乗り込もうとするが押されてうまく乗れない。今度は私の番だ。タイミングを見て声をかけて一緒に乗り、車内の中央まで押されたところ周りの客に声をかけてスペースをとってもらいパイプまで案内することができた。

今度、私の降りる駅は、JRの路線がクロスする乗り換え駅だが、偶然にもその男性はその駅で乗り換えるとのことだった。さっきの女子高生のように降りるときに声をかけ、肩を貸して一緒に乗り換えホームまで案内することにした。相手に声をかけながら目的のホームまで案内し終わると「私はこの駅で降りるのでここで失礼します」と声をかけそのまま立ち去った。

ごく自然なふるまいの女子高生と中年女性の偶然のバトンを見て心が温まったひとときだった。そして自分も仲間に加われたかなとちょっと自己満足に浸ったおやじだった。

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Comments

いい話だね。
こちらまで気分壮快。ありがとう。

Posted by: 通りすがり | 2007.06.12 at 09:33

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