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ネットワークで支える2 「ともだちだよね なかまだよね」

(2003年9月6日に記す)

「ともだちだよね なかまだよね」

というタイトルの冊子を今、読んでいます。
とってもいい本なのでみなさんにも読んでもらいたいと思い紹介します。
手にしたきっかけは、発達教育という専門月刊誌に連載されているST(言語聴覚士)の中川信子先生のエッセイの中で紹介されていたからでした。以下、中川先生のエッセイに染まったコメントになってしまいましたが、紹介いたしますので参考にしてぜひ読んでください。

この冊子は、「十勝ADHD&LD懇話会」という北海道東部地区で医療、福祉、教育など子どもたちといろいろな立場で関わる方々と親御さんたちが集まる会が自ら手記や報告を寄せて1年がかりで編集して作り上げられた手作りの冊子です。読んでいてとっても元気になります。みなさんの「思い」がひしひしと伝わってきます。そしてこの夏
チューリップ元気の会で行ったシンポジウム
のテーマである子どもたちを支援するための「連携」、「ネットワーク」というものが具体的に見えてくる一冊です。ぜひ、ご一読いただきたいと思います。800円ですが、購入して手元に常備していても絶対、損のない一冊です。

冊子のタイトルには「ゆえん」があります。この懇話会の代表であった田中康雄先生(※1)(当時は北海道立緑ヶ丘病院、今は国立精神神経センターで活躍、えじそんくらぶの高山恵子代表との共著がいくつもあります)が、「まえがき」で紹介されていますが、田中先生が医療の現場で初めて出合ったADHDの少年とのやりとりにきっかけがあります。友だちのできにくかった少年に「先生はもう友だちだと」と伝えたところ、少年が何度も何度も診察室に来て「友だちだよね?」と確かめ続けたそうです。この出会いから懇話会は始まったとの思いが会の人たちみんなに伝わり「ともだちだよね」の由来になったそうです。そして懇親会にはたくさんの仲間たちとの出会いがあり「なかまだよね」の言葉が繋がったのだそうです。なお、「ともだちだよね なかまだよね」には「?」がついていません。どうしてかというと、この言葉には「あったりまえじゃん」という返事、「心配ないよ、大丈夫さ」という思いが隠されているんだそうです。そして集まった人たちがお互いを認め合い、尊重しあい、誰もがお互いを責め合わない、みんななかよし!」という心が詰め込まれていると書かれています。

実践の報告では、教育、医療、福祉とさまざまな立場の方が現場から報告されています。そこには「連携すること」の大切さが具体的な人と人との関わり合いの中で説明されています。それぞれの分野で子どもたちに関わる人たちがつながる理由が「専門性」に期待しているところから始まるのだけれど、それぞれの「専門的」立場で見えている
ことと見えていないことがあり、それを自覚して以下にかかわりあえるかというところがとても大事だと述べられています。

チューリップ元気の会の)溝井代表は、『わからないから助けて!』と素直に言っちゃって楽になった方が、お互いが見えてくるので、実際に子どもの支援を受けやすくなりますよ」とチューリップのシンポジウムの中で言われていましたがまさにその通りだと思います。
冒頭、中川先生は、「『私のところだけでは不十分だから、その部分は手伝ってください』と素直に言える、逆に『そこの部分は手伝えますよ』とも言ってあげられる、こんなふうに『手伝って』『助けて』と互いが言えるためには、相手との信頼関係が必要です」と述べられています。

「自分のできないことを自覚し、そこを次に引き渡すことが、ある意味では専門性であると思います。お互いをにじませる歩み寄りが、子どもや親にとって必要な連携と言えるのではないでしょうか。」と冊子にあります。

現状では、教育、医療、福祉それぞれの専門家は、お互いの中に守るべきプライドや権威みたいなものが存在してしまっていて、連携しようにも、これが戦国の世の中の国境のような城壁となり、高い壁を乗り越えるために血と汗のにじみ出る多大なる努力が必要なイメージが付きまといます。「この「にじませる」という行為、すなわち自分の専
門性の中でできることを紹介し、相手からもそれを受け取る、お互いが境界線を頑なに意識せず、アメーバーのように境界を「にじませて」自分を外に出して、そとからも新しいものを受け取り増殖していくようなイメージがとても大切なのだと思います。

話がちょっと変わりますが、先日、参加した東洋大学のインクルージョンのシンポジウムでは、筑波大付属大塚養護学校の瀬戸口 裕二先生(※2)がコメントをまとめられるときに「教員の専門性とは自分自身のスキルを磨き上げて指導力をあげていくことだと言われていたし、自分もそう思ってきたが、自分の専門性を高めていくと結果として人の意見を聞くことがとても難しくなった。人が自分の学級に入ってくることを快く受け入れられないということが自分の中にできてしまった。今は、教員の専門性とは、内省的に自分の実践を振り返ることができること、もしくは批判的な友人をつくることや一緒に話し合える同僚を作ることであると思っているし、そう言われるようになった」とコメントされたのを印象的に覚えております。

十勝ADHD&LD懇話会のような形が、埼玉でもチューリップの周りでも何かすこしずつ形になってくればいいなと思っています。この夏、それが少しだけ見えてきたような気がします。それぞれのLD研究会の先生方との連携、親の会との交流、「まほろば」のような地域支援センターを要としたネットワーク、なんだか、ワクワクしてくる今日この頃です。

冊子は1冊800円+送料
「十勝ADHD&LD懇話会」事務局(佐々木浩治)
〒089-3721 北海道足寄郡足寄町旭1丁目あゆみ園内
e-mail:nonbiri@cello.ocn.ne.jp

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※1)現 北海道大学大学院 教育学研究科 教授
※2)現 筑波大学特別支援教育研究センター教諭

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Comments

violalaさんど~も しぇあ です。(^-^)v
コメントありがとうございます。カイパパさんとこのおまけで今後ともどうぞよろしく。(^^ゞ
あと、カミサンのHPを今回、リンクしちゃったんでこちらをご覧いただくとわがファミリーのことがわかります。よろしかったらどうぞ。
私もちょっとviolalaさんのblogを拝見しました。な~んかとってもほのぼのしていていい雰囲気のblogですねぇ。感覚的にとっても波長があっちゃう感じです。
今後ともどうぞよろしく~!(^O^)/~~~~~

Posted by: しぇあ | 2005.03.30 01:13

しぇあさんはじめまして!
カイパパさんのブログから飛んできました。
「にじませて歩み寄る・・」
いい言葉ですね(^^)
なるほどなあ、と思いました。
信頼関係を築くのはとても良いことですよね!

Posted by: violala | 2005.03.28 22:08

カイパパです。

すばらしいですねぇ~
この記事で紹介されたことひとつひとつが、私の問題意識にすごくヒットしました。
いつもありがとうございます(^^)

埼玉でも動いている。愛知でも動いている。
きっと良い方向に変わっていきますね(*^^*)

Posted by: カイパパ | 2005.03.21 08:40

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