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発達障害の早期発見、早期支援(5歳児健診)

発達障害(児は削除されましたね)の早期発見早期支援(療育)については、発達障害者支援法案の注目された論点でもあり、とても重要視されています。条文は第5条、第6条です。

鳥取県の5歳児健診の話は、今国会で成立した「発達障害者支援法案」がらみで知りました。法案成立前夜のNHKニュース「あすを読む」でも発達障害者支援法案の解説の中で5歳児健診の話が取り上げられていました。

161回臨時国会の11月24日の衆議院内閣委員会の委員からの質問と答弁の中で話題にあがっております。
最後の質問に立った山口富男委員から第五条(児童の発達障害の早期発見等)について、鳥取県の五歳児健診の取り組み状況の紹介により、有効な提案や経験については積極的に検討して国の施策に生かすべきだとの意見があり、厚生労働省の伍藤政府参考人から鳥取大の小枝教授の研究についての答弁がありました。この中で、「昨年度、鳥取県で三三・三%で実施された、今年度は六九・二%だということなんですが、事前に両親の方に健診票をお渡しして、それから保育所や幼稚園などの集団生活の状況も把握して五歳児健診に当たるという仕組みになっているらしいんです。」と山口委員が紹介しております。それに対し、平成16年度の厚生労働科学研究で取り組んでいるひとつが小枝先生の研究であるとの答弁が政府参考人からなされています。

平成16年度 厚生労働科学研究子ども家庭総合研究事業の 採択課題一覧 の中に

「52 子ども家庭総合研究事業 小枝 達也 鳥取大学教育地域科学部 教授 軽度発達障害児の発見と対応システムおよびそのマニュアル開発に関する研究 5,900 千円」と掲載されていました。

さらに、厚生労働科学研究成果データベースのサイトで調べてみると平成13年度の研究成果「ADHD、LD、高機能自閉症児の保健指導手引き書」が見つかりました。
この手引き書の第1章の「4.本書の目指すもの」の中で、『3歳児健診以降から小学校に入学するまでの間に、例えば5歳前後で発達相談が行われるならば、軽度の発達障害児の二次的な不適応を大幅に減らすことができると考えています。本手引き書は、いわばその発達相談で使用されるための手引き書でもあります。本書によって軽度の発達障害児が「学校や社会に適応し、健やかで幸せな心豊かな人生を送ることができる」、そんな支援のきっかけが誕生することを望みます。』とすでにこの時点で提案されています。
分担研究者として、加我牧子、杉山登志郎、橋本俊顕、原仁、宮本信也とそれぞれ著名な先生方が担当されています。

保健師の方が利用する手引き書とのことですが、一般向けにもADHD、LD、高機能自閉症児の理解と支援の手引き書としてとても利用価値の高いものだと思いました。厚生労働科学研究成果データベースから検索したURLを記事の最後に紹介しましたので、そこから手引き書一式pdfファイルでダウンロードできます。

「ADHD、LD、高機能自閉症児の保健指導手引き書」
<目次>
第一章 軽度の発達障害について (小枝達也)
第二章 軽度の発達障害の概論
1.ADHD  (橋本俊顕)
2.LD    (加我牧子)
3.HFPDD (杉山登志郎)
4.軽度MR (原 仁)
第三章 気になる問題点とアドバイス
1.言葉の問題(言葉が遅い、会話になりにくい、しゃべりすぎる) (小枝達也)
2.パニック、かんしゃくを起こしやすい (小枝達也)
3.落ち着きがない (橋本俊顕)
4.友達に乱暴する、動物をいじめる (橋本俊顕)
5.言うことを聞かない、指示が入りにくい (加我牧子)
6.こだわりが強い (加我牧子)
7.一人遊びを好み友達と遊べない (宮本信也)
8.不安が強く、場慣れが悪い (宮本信也)
9.呼んでも無視する (原 仁)
10.不器用である (原 仁)
11.親から離れにくい、逆に親がいなくても平気 (杉山登志郎)
12.偏食がひどい、あるいは食べ物ではないものを食べる (杉山登志郎)
第四章 症例から学ぶ保健指導のエッセンス
Ⅰ.幼児編
1.ADHD (小枝達也)
2.LD (加我牧子)
3.HFPDD (宮本信也)
4.軽度MR (宮本信也)
Ⅱ.学童編
1.ADHD (橋本俊顕)
2.LD (原 仁)
3.HFPDD (杉山登志郎)
4.軽度MR (小枝達也)
巻末資料 (小枝達也)

【参考情報】

衆議院内閣委員会 平成16年11月24日 第8号 発達障害者支援法案起草の件 他4件
会議録

厚生労働科学研究成果データベース 20010390
研究課題 ADHD、LD、高機能自閉症児の保健指導手引きに関する研究
主任研究者(所属機関) 小枝 達也(鳥取大学教育地域科学部)
研究区分 厚生科学研究費補助金 総合的プロジェクト研究分野 子ども家庭総合研究事業
研究年度 2001(平成13)
http://webabst.niph.go.jp/content/2001/20010390.html

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Comments

エジンバラさん ど~も コメントありがとうございます。

ご指摘のとおり、発達障害の発見は5歳児健診だけで行われても有効ではないでしょう、1歳半健診と3歳児健診の経過観察があってはじめて診断できるものだと思います。発達障害(特に知的障害のない場合)は短時間見ただけではわからないのが特徴だし、悩ましいところですよね。

Posted by: しぇあ | 2004.12.20 at 01:35

単純に5歳児健診では遅いのではと思っています。段階的に継続的に2歳児健診から追いかけて診る体制が必要でしょう。その体制作りには時間がかかりそうですね。

Posted by: エジンバラ | 2004.12.16 at 00:01

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